2012年06月16日
オウム高橋容疑者逮捕 最後の特別手配犯 教団本、バッグから十数冊
オウム高橋容疑者逮捕 最後の特別手配犯 教団本、バッグから十数冊
産経新聞 6月16日(土)7時55分配信
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高橋容疑者が潜伏していた漫画喫茶の受付の内側。パソコンのそばに警察庁の捜査協力依頼が貼ってあった=15日夜、東京都大田区(鴨川一也撮影)(写真:産経新聞) |
■逃亡17年、蒲田の漫画喫茶で発見
平成7年の地下鉄サリン事件で特別手配され、唯一逃走を続けていたオウム真理教元信者、高橋克也容疑者(54)が15日、東京都大田区で見つかり、警視庁は殺人と殺人未遂容疑で逮捕した。JR鶴見駅(横浜市)のコインロッカーから押収した高橋容疑者のキャリーバッグからは教祖、麻原彰晃死刑囚(57)=本名・松本智津夫=の著書など教団発行の本十数冊が見つかった。7年5月の特別手配から17年1カ月、一連のオウム事件で特別手配されたすべての容疑者が逮捕された。
捜査関係者によると、15日早朝に「似た男を蒲田の漫画喫茶で見かけた」との情報が警視庁に寄せられ、捜査員が東京都大田区西蒲田の漫画喫茶で高橋容疑者を発見、身柄を確保した。
高橋容疑者は「幹部の指示でやった。目的について一部知らなかったこともある」と容疑を認め、「いろんな思いがあって一言で言い表せない。世間を騒がせたことは、私の不徳のいたすところ」と供述した。
逮捕時には現金458万円を所持しており、「働いて稼いだカネ。教団から資金はもらっていない」とも供述。逃走用に購入したキャリーバッグには「吉田利美」名義の預金通帳と菊地直子容疑者(40)が使っていた「櫻井千鶴子」名義の通帳も入っていた。残高はそれぞれ約9万円(18年記帳)と約300万円(15年記帳)。
川崎市内の潜伏先から逃走した後の行動については「大田区大森、蒲田や横浜市鶴見区の個室ビデオ店を利用した。自分のニュースは個室ビデオ店のテレビで見て把握していた」と供述し、「逃げるために『吉田新一』という偽名を使い、(縁の色が違う)眼鏡に買い替えた」とも話した。
逮捕容疑は、7年3月20日午前8時ごろ、麻原死刑囚らと共謀、地下鉄3路線で猛毒のサリンガスを発生させ、乗客ら12人を殺害、約5550人に重軽傷を負わせたとしている。
高橋容疑者は、サリンをまいた教団元幹部、豊田亨死刑囚(44)を車で日比谷線中目黒駅まで送り、犯行後に恵比寿駅から教団アジトに送ったとされる。
東京・目黒公証役場事務長、仮谷清志さん=当時(68)=逮捕監禁致死事件(7年2月)でも特別手配されているほか、3人が死傷した3件のVX事件(6年12月〜7年1月)や東京都庁郵便物爆弾事件(7年5月)でも逮捕状が出ている。事件の共犯者らの公判が続いていたことなどから高橋容疑者の時効は停止。警視庁は逃亡生活の全容解明を進める。
【用語解説】地下鉄サリン事件
平成7年3月20日、営団地下鉄(現・東京メトロ)の日比谷、千代田、丸ノ内線の計5車両で、オウム真理教信者が猛毒のサリンを散布、12人が死亡するなどした事件。教団幹部らが殺人罪などで起訴され、麻原彰晃死刑囚ら13人の死刑判決が確定している。20年施行の被害者救済法で、事件翌日に死亡した男性もサリン吸引が原因と判断され、死者は13人となった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000090-san-soci
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