地下鉄サリン事件で特別手配されている元オウム真理教信者高橋克也容疑者（54）が潜伏先の寮から逃走した際、タクシーに乗って、近くのJR川崎駅で下車した疑いがあることが12日、捜査関係者への取材で分かった。
　同駅構内の防犯カメラに高橋容疑者は写っておらず、警視庁は同容疑者がカメラに写るのを警戒して電車に乗らず、駅前でタクシーかバスに乗り換えて逃げたとみて行方を追っている。
　捜査関係者によると、高橋容疑者は昨年10月から川崎駅近くの建設会社の寮に潜伏。元信者菊地直子容疑者（40）が逮捕された翌日の4日、スーパーで大型バッグを買ってタクシーで寮に戻り、同日午後3時ごろに姿を消した。
　寮近くの防犯カメラには高橋容疑者の姿は写っておらず、寮付近でタクシーに乗ったとみられる。川崎市内のタクシー会社の運行記録を確認したところ、逃走後の時間帯に寮付近から約1．5キロ離れたJR川崎駅まで男性客を乗せたタクシーが数台あったという。
　警視庁は、このうちいずれかに高橋容疑者が乗った可能性があるとみて調べるとともに、駅周辺のカメラを解析し、逃走経路の割り出しを急いでいる。