熊本県のＰＲキャラクターで、昨年の「ゆるキャラグランプリ」で優勝するなど大人気の「くまモン」の公式ツイッターが、何者かに乗っ取られる被害に遭っていたことが１１日、分かった。勝手につぶやかれ、フォローを外されるなどの被害があり、新アカウントに移行する羽目に。中国では、デザインをパクった“にせモン”のグッズが売られていることも判明し、県側は、迷惑行為に怒りと困惑を訴えている。

　くまモン、怒ってるモン―。ゆるキャラ王者「くまモン」のつぶやきに接することができる貴重な公式ツイッターが、乗っ取られていた。

　熊本県の「くまもとブランド推進課」によると、公式ツイッターは５月下旬から「文字が化けるなど怪しい動きが始まったため」何者かが侵入している疑いが浮上。新アカウントに移行する準備を進めていた。今月６日に移行することを決め、告知を始めたが、その前後から「悪意の第三者」（同課）による、乗っ取り行為が横行するようになったという。

　何者かにより「『くまモンはこちらです』と偽のアカウントに誘導するようなつぶやきを勝手に書き込まれた」という被害があった。プロフィル欄も、偽アカウントに誘導されるよう変更されたという。また、くまモンがフォローしていたユーザーも一部削除されるなどされたという。

　同課は８日付のくまモン公式サイトで、正規の新アカウントをフォローしてくれるよう呼びかけるとともに、乗っ取り行為があった旧アカウントは閉鎖することを告知。現在は対応協議中で「とにかく対処に追われているため」乗っ取りの原因特定には至っていないが「パスワードが盗まれた可能性がある」という。

　くまモンのツイッターは現在、新旧アカウントでフォロワーが６万７０００超。ＡＫＢ４８の選抜総選挙のような人気投票イベント「ゆるキャラグランプリ」では昨年、２８万票以上を集め、全国優勝した。約２０００種類の関連グッズ売り上げは、年間で２５億５６００万円。ゆるキャラ界屈指のスターとなっている。

　同課の担当者は「ある意味、有名税なのかもしれないが、正直、大変です」と困り果てた様子。「応援していただいているファンの方に迷惑をかけるようなことは、絶対にやめてもらいたい」と怒りを隠さなかった。