2012年06月11日
<一体改革特別委>自民が首相を激励…採決で民主分裂期待
<一体改革特別委>自民が首相を激励…採決で民主分裂期待
毎日新聞 6月11日(月)21時19分配信
税と社会保障の一体改革関連法案をめぐる民主、自民、公明3党の修正協議が本格化する中、衆院一体改革特別委員会が11日に行った集中審議は、消費増税法案の今国会成立に政治生命を懸ける野田佳彦首相を最大野党の自民党が激励する場となった。反対派を抱える民主党が衆院採決で分裂状態に陥ることへの期待が自民党側にはあり、6月21日の会期末までに採決するよう首相の背中を押すとともに、民主党の輿石東幹事長による「クーデター」をけん制する発言まで飛び出した。
「修正協議後、メキシコで18、19日に開かれるG20(20カ国・地域)首脳会議から首相が帰国する20日朝までにクーデターが起きるのではないか」
11日の集中審議で阿部俊子氏(自民)は、15日までに修正合意にたどりついても首相の外国出張中に輿石氏が採決先送りを図る可能性に言及。小沢一郎民主党元代表のグループがのぼり旗を立てて反対運動を各地で展開したことも批判した。
これに対し首相は「決まった暁にはクーデターなど起こらない」と強調。額賀福志郎氏(同)から「(消費増税は)あなたの名を高からしめる」と持ち上げられると、法案が否決された場合の衆院解散・総選挙に含みを持たせる答弁で応じた。
自民党は衆院解散の確約と引き換えに法案に賛成する「話し合い解散」を目指してきたが、政党支持率の低迷する民主党内は解散への警戒感が強く、野田首相も話し合い解散の可能性は否定。そのため自民党は早期採決によって民主党の分裂を誘う戦略に転換し、修正協議に入る際も会期内の採決確約を強く迫った経緯がある。
これに立ちはだかるのが、「党を割らない」ことを最優先する輿石氏だ。その結果、野党が首相にエールを送って修正合意を急ぎ、首相を支える輿石氏ら与党執行部のクーデターを警戒する「逆転現象」(自民党幹部)が生まれている。
自民党は修正協議の条件として民主党にマニフェスト政策の撤回を求めてきたが、石原伸晃幹事長は11日のニッポン放送の番組で「民主党は自分で最低保障年金などの旗を降ろせないので、国民会議で1年議論したらどうかと手を差し伸べている」とハードルを下げたことを強調。自民党の谷垣禎一総裁はなお衆院解散による「けじめ」を首相に求めているが、特別委の自民党筆頭理事を務める伊吹文明元幹事長は11日、谷垣氏に「民主党のマニフェストを撤回しろとか正面切って言っても何も進まない」と忠告した。【佐藤丈一、坂口裕彦】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120611-00000072-mai-pol
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